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2007年 4月号

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ヨッシーのお米一話

[ヨッシーの お米一話] 第1回 目覚めさせる?


ヨッシー

日本人の主食といえば何たってごはんだね。
パンや麺類に押されて、日本人が食べるコメの量は減っているらしいけれど、 ほっかほっかの朝ごはんや、お弁当で食べるおにぎりは、 私たちをハッピーにしてくれる。
え、私? ワタシはお米ファン代表、目指せちょいワルの「ヨッシー」。
口ぐせは「オー、マイ、ゴッド。おコメは神様!」さ。
さぁ、このコーナーでワタシといっしょにコメのお勉強をしてみない?


種籾たねもみには、発芽に「待った!」をかける仕組みがある

籾には、なかなか芽を出さないようにする仕組みがあるんだって。まず見てもらいたいのは、種籾の写真だ。籾はいわばイネのタネ、本当の長さは6?7ミリで、これから籾殻を取り除いたものが玄米、さらにそれを精米したのが白米だ。拡大写真をよ?く見ると、短い毛やうろこのような模様があるでしょう。これは上表皮といって、細胞が規則正しく並んでいるからこう見えるんだ。籾殻が、がっちり胚や胚乳という中身を守っているのさ。

山口県農業試験場のコメの専門技術員、藏重宏史さんに聞いてみた。「ほかの植物もそうですが、種子には発芽抑制物質があって、発芽に適した条件が整わないと発芽しないようになっている。『命のよろい』で固く閉ざされているのです」。

命の鎧なんてウマイこというね。ちょっと難しいけど、発芽抑制物質っていうのは、モミラクトンAとかモミラクトンBといった植物ホルモンで、籾殻に含まれているそうだ。植物のタネはいつでも発芽するんじゃなくて、できるだけ発芽しにくくなっている。ばらばらに時期をずらして発芽する方が、自然界で生き残るには都合がいいようだからね。

ふつう、農家では浸種しんしゅといって、眠っている種籾の目を覚ましてやるために水に浸すんだ。種籾を発芽させるには、発芽抑制物質を取り除かなくっちゃいけないからね。どれくらい浸すかというと、平均水温×日数の「積算温度」という基準がある。ちょうどいいのは積算温度100℃・日。ってことは、水温が20℃なら5日ってわけだ。

こうすると籾が水分や酸素を吸収するし、同時に、発芽抑制物資を溶け出させることになる。農家の人たちは経験的に水に浸しているけれど、科学的な根拠がちゃんとあったんだ。でも、品種改良をしたイネは、野生のイネに比べると発芽抑制物質は少ないらしいよ。

そうして発芽準備OKになった種籾は、少し温めて発芽時期をぴったりそろえる。これを催芽さいがというんだ。ばらばらに生長すると栽培や収穫がやりにくいからね。

それにしても、イネってすごい「生き残り戦略」を考えているなぁ。イネにしてみりゃ「人間に食べられるために実をつけるんじゃない!」と言いたいところだろうけどね。

次回もオドロキいっぱいのおコメ情報を仕入れてくるから、お楽しみに!

種籾
おコメの中身
モミから白米へ

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