カガクのめばえ 第4回 山崎直子さん

掲載日:2019年3月29日

世の中で活躍している科学者は、いかにして科学の魅力を見つけたのか、どうして科学者になろうと思ったのか、どうやって困難を乗り越えてきたのか?

科学者たちの「芽生え」の瞬間を、まんがで見てみよう!

まんが/まきのこうじ 構成・文/石田童子
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やりたいこと、なりたいものを突き詰めることが、夢を叶える近道になる。
夢を実現するための、子どもたちへのメッセージ

――子どもの頃は、どんな性格でしたか?

やる時はやる、という子どもでした。幼少時はセミが羽化するのを、辛抱強く明け方まで見守っていたこともあります。興味があることに集中するタイプでしたね。テストの前などは徹夜で勉強することもありました。

――将来なりたいものがまだ決まっていない人は、何から勉強したらいいですか。

好きな分野を突き詰めるのがいいと思います。ひとつのことに取り組むと、関連することも調べる必要性が出てきます。例えば、理系といっても文章を書く力は必要ですし、専門分野以外の教養も必要です。最後は全てつながっていきますから、まずは好きな分野を掘り下げていく。あとは、小・中学生のときに勉強の仕方を学んでほしいですね。具体的には、疑問に思ったことを周囲の大人に聞いたり、図書館やインターネットで調べてみたり。そういった経験を積んでいくと、少しずつ世界が広がっていくと思います。

――宇宙飛行士に抜擢されるまでの間、辛かったことはありますか。

選考は1年かけて行われるのですが、仕事を続けながら勉強や試験をこなすのが大変でした。時間に関しては、試験に合格して宇宙飛行士の訓練が始まってからも同じで、訓練や勉強、予習復習と、やらなければいけないことがとても多くありました。子どもが生まれてからは、時間の使い方がさらに大事になりましたね。「やるべきことの優先順位をつける」「完璧を求めない」など自分でルールをつくっていました。

――地球に戻ってきたときの感想を教えてください。

すごく心に響いたのは、地球上の、日常の風景の美しさ。宇宙船の中では水はリサイクルしなければなりませんし、酸素は化学反応から作らなければいけません。でも地球では海や植物が自然に行ってくれています。ただ、地球も元から今の姿だったわけではありません。灼熱の時代や氷河期があって、植物や生命と一緒に地球も進化してきました。だから私たちが普段見ているこの景色は当たりまえのものではなく、素晴らしく貴重なことなんだな、と心にしみました。

――宇宙飛行士になるには、どうしたらいいでしょうか。

私はJAXAの宇宙飛行士の募集に応募しましたが、道はひとつではなく、エンジニアや研究者、医者やパイロットなどさまざまな経験をもった人が宇宙飛行士になっています。また、宇宙旅行の時代が訪れれば料理人やカメラマンなども必要になってくるでしょう。本当にいろいろな道があると思うので、自分が今やっていることを突き詰めながら、諦めずに道をつくってほしいと思います。

――宇宙飛行士には女性が少ないですが、理系を目指している女性にメッセージをお願いします。

宇宙飛行士の応募は9:1で圧倒的に男性が多いんです。でも、どんな分野でも女性の視点も必要不可欠だと思います。特に理系の分野は私たちの生活にとても身近な分野なので、ぜひ興味を持って一歩踏み出してもらいたいですね。

山崎直子 さん

1970年、千葉県出身。宇宙飛行士。内閣府宇宙政策委員会委員。女子美術大学客員教授。一般社団法人スペースポートジャパン代表理事など。

宇宙開発事業団(現:宇宙航空研究開発機構 (JAXA) )職員を経て、2010年にスペースシャトル「ディスカバリー」に搭乗し、宇宙へ。

「宇宙開発はこれからがますます楽しみになってきています。みなさんに興味を持ってもらえると嬉しいです」
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