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2019年冬号 (1-3月)

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[交わるアートとサイエンス]

えいの感動をすべての人に

人の暮らしを変える自動運転技術

大画面とはくりょくの音声で感動を得られるえい
その感動を、だれもが同じかんきょうで味わえる社会へ。
スマートフォンアプリ「UDCastユーディーキャスト」の登場で、えいのユニバーサルデザイン化が進んでいる。


じょうえい機会がかぎられていたバリアフリーばんえい

UDCastユーディーキャスト」は、えいのバリアフリーたいおうのための音声ガイドやまくガイドをスマートフォンなどのけいたいたんまつていきょうするアプリケーションだ。「かくちょうかくしょうがいがある人にもえいを十分に楽しんでいただきたい」と、UDCastをうんえいするPalabraパラブラかぶしき会社の代表をつとめるやまがみしょうさんは語る。

Palabraは、ちょうかくしょうがいのある人のためにえいの「音」が伝えているじょうほうを文字でひょうげんした「まくガイド」と、かくしょうがいのある人のためにえいの「」が伝えているじょうほうをナレーションで説明した「音声ガイド」を、主にせいさくしている。「えいぞうや音声で得られるじょうほうかぎられている人でもないようをスムーズにかいできるよう、えいせいさく者の意図をんだガイドじょうほうせいさくこころけています。日本では年間約1200本のえいが公開されていますが、2年ほど前まで、そのうちの8本ていしか音声ガイドは付いていませんでした」(やまがみさん)。音声ガイドのていきょうには、せんようの機器やそう するオペレーターが必要なため、上映する映画館が少なく、日時も限られていた。また、 まくガイド付きえいは、まくガイドを必要とする人に向けて特定の日時・えいかんじょうえいされていた。そのため、バリアフリーばんえいかんしょうするには、じょうえいされるかぎられた機会に合わせて足を運ぶ必要があった。

必要な人に必要なじょうほうていきょうできるアプリ

UDCastは、事前にたいおうするえいのガイドデータをダウンロードしておけば、イヤホンから音声ガイドが聞けたり、メガネ型たんまつまくガイドがひょうされたりする。そのため、どのえいかんでも、どのじょうえい回でも、ガイドじょうほう付きでえいを楽しめるのだ。

利用者からは「ふらっとえいかんに立ちって、気になるえいがいつでも楽しめます」、「これからは友人といっしょえいかんに足を運べるようになるので楽しみです」といった声がせられている。

UDCast を使った視聴イメージ

※メガネ型たんまつは、たいおうしている機種をこうにゅうするか、レンタルできるえいかんで予約する必要があります。

UDCast を使った視聴方法

手軽さ・身近さをじつげんした「音声」のじゅつ

UDCastユーディーキャストがガイドじょうほうさいせいするときに合図としているのが、えいそのものの「音声」だ。UDCastは、スマートフォンなどのけいたいたんまつのマイクで拾った音声と、あらかじめえいほんぺんの音声をかいせきしたデータを照合し、いま流れているのはどのシーンかをはんだんして、たいおうするガイドじょうほうさいせいしている。そのため、えいちゅうからでもシーンに合ったガイドじょうほうさいせいされる。事前にダウンロードしたデータを使用するので、じょうえい中に通信する必要がない。また、えいかんでのじょうえいかぎらず、テレビやDVDディーブイディーかんしょうするときも同じガイドじょうほうを利用できる。

UDCastとバリアフリーえいの広がり

UDCastのサービスをほんかく的に開始したのは、2016年の夏。音声ガイドたいおうから広まり、大手のえいせいさく・配給会社、関係者によってきゅう活動が行われてきた。2018年には、UDCastを使って音声ガイド付きで楽しめるえいは年間60本以上となり、まくガイドにたいおうするえいえている。

えいせいさくたずさわる人に共通した思いは、一人でも多くの人にえいとどけたいということ。えいが公開されるときには音声ガイドやまくガイドが付くのが当たり前になれば、より多くの人に好きなえいを楽しんでもらえる社会のじつげんに近づくと思います」(やまがみさん)

ユニバーサルデザイン化でえい文化をささえたい

音声ガイドやまくガイドはちょうかくしょうがい者のためだけのものとはいえない。ガイドじょうほうには、えいぞうや音でひょうげんされているないようこうなど、それぞれのシーンのポイントがまれているため、そのえいを深くかいする手助けとなる。「2回目はガイドを使ってみよう」という楽しみ方もできる。

UDCastでは、ガイドじょうほう以外にも、多言語たいおうデータのていきょうのうだ。母国語の音声データを選んでさいせいするだけで、母国語がことなる人同士でも同じスクリーンを見て楽しむことができる。

しょうがいの有無や言語に左右されず、だれもが気軽にえいを楽しめるかんきょうを整えることが、えい文化を守り育てることにつながると考えます」(やまがみさん)

えいぞうてんなどに新しい

また、UDCastでえいの楽しみ方が広がるのうせいがあるとやまがみさんは語る。「シーンに合わせてかんとくしゅつえん者のかいせつなども流すことができます。ファンが喜ぶないようていきょうできれば、えいかんに足を運んでもらう機会もえるのではないでしょうか」

えい以外にも、「おきなわちゅら海水族館」ではてんえいぞうや案内放送の多言語まくなどをていきょうしている。やまがみさんは「今後はUDCastにかぎらず、えんげきやショーなどのユニバーサルデザイン化にも取り組んでいきたいです」と、だれもが同じ空間で一体となって文化げいじゅつを楽しめる社会を目指している。

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