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2018年 春号 (4-6月)

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表紙より

桜をめぐるさまざまなかかわりを思う

絵/掃部千鶴

「人と自然とのかかわり」をテーマに、春を象徴する桜と桜をめぐる生き物や人との関係を感じさせる絵を、とのご依頼を受け、どんな絵がよいだろうかと想像をめぐらせました。

生き物と桜との関係では、桜の花蜜をなめに来るヒヨドリやメジロ、花蜜や花粉を集めるハナバチやハナアブなどの昆虫がまず思い浮かびました。これらの鳥や昆虫は花から食料をもらうだけでなく、花粉を媒介する送粉者としての役割を担っています。このほか、桜の幹には地衣類などが付いたりします。絵には描いていませんが、木や葉、実を食べるものや病気などもあります。

人とのかかわりについては、日本では桜の花をでるお花見の文化があることや、昔から地域の桜を「種まき桜」や「苗代桜」と呼んで、その開花を稲作の苗床を作るなどの時期の目安にしてきた歴史を想いました。

私の住む福島県南会津地方の古い集落にも、「種まき桜」と呼ばれている桜の大木があります。集落の長老ご夫婦によると、昔はこの桜が咲いたら、水路近くに作ったみずなわしろに種もみをまいたそうです。今は田植え時期が早くなったため、桜の開花を待たずにハウス内で苗を作り始めます。農業の形が変化し農事暦としての役割は薄れても、地域を見守り、人々の心のよりどころになっているような桜が、日本各地にあることでしょう。

絵を描いたのはまだ雪深い二月。住んでいる平屋の古民家の北側は、窓が隠れる高さまで屋根からの落雪に埋まっていました。そんな家の中で絵について考えながら、春の野山の楽しいイメージに満たされました。

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