• サイエンスウィンドウのTwitter
  • サイエンスウィンドウのウェブコンテンツ
  • 宙(そら)と粒との出会いの物語
  • 科学と技術のおもしろさを伝える 子ども科学技術白書
  • 未来の共創に向けた社会との対話・協働の深化
  • サイエンスアゴラ
  • サイエンスポータル
  • サイエンス チャンネル

2012年 春号 (4-6月)

この号の目次へ戻る

小学校の先生におくる[りんごろう先生のイチから伝授実験法]

こんな技を知っていると実験がとてもスムーズ!

[りんごろう先生のイチから伝授実験法]イメージ

「理科実験の準備を楽にしてくれるとっておきの方法はないかしら?」

りんごろう先生はいろいろと知っています。実験の準備を簡単にしたり、実験中の作業時間を短くする、ちょっとしたテクニックを紹介します。


石灰水は4月に作り置き

菜々子先生(以下菜) りんごろう先生、新学年が始まる前に覚えておきたい理科実験のテクニックは、ありますか?

りんごろう(以下り) たくさんあるよ。今回は、実験の手間を省く技や便利な実験道具を廃物利用で作る方法をいろいろと紹介しよう。

何からやりますか?

石灰水の作り方からやろうか。短期間なら、何度も作るより、あらかじめ作り置くと楽だよ。

石灰水は空気中の二酸化炭素に反応してしまうから、作り置きをすると使い物にならなくなるのではないですか?

コツがあるんだよ。まずペットボトルいっぱいに石灰水を作り、使ったら水を再注入。再びいっぱいにすれば、空気に触れず、いつでも使える状態を維持できるよ。

どうやって作ればいいんですか?

2Lのペットボトルに水酸化カルシウムを入れる。紙でろう を作ってスプーンで入れると楽だよ(写真A)。底に2〜3?ぐらいたまったら(写真B)水を口まで入れよう。何度か上下に振って、よくかき混ぜれば、ほぼ完成(写真C)。3時間ほど放置すると、溶け切れなかった水酸化カルシウムが沈殿して、透明な部分が現れる。それを使えばいいんだ。

簡単ですね!

石灰水は、水酸化カルシウムを水に溶かし、もうこれ以上は溶けないという飽和状態の水溶液。水酸化カルシウムは、25℃の水1Lに対して約1・7g以上は溶けないから、目分量で多めに入れてかき混ぜれば、自然に飽和状態になる。使ったら、すぐに水を口まで入れて振れば、再び飽和状態の石灰水ができるというわけさ。くれぐれも、長期保存はしないでね。石灰水はペットボトルを破損するから注意して。

石灰水は、校庭で白線を引くときに使う石灰でも作れると聞いたのですが?

あの石灰は、主成分が炭酸カルシウムなので、水酸化カルシウムではないんだ。園芸用の石灰で代用する人もいるけれど、水酸化カルシウムの占める割合(純度)が低いから反応が悪い。やはり、純度の高い一級以上の水酸化カルシウムがいいね。

[A]
[B]
[C]

安くて安全なカバーガラス代用品

ラミネートフィルムって知ってる?

加熱処理をしてプリントを包む、あの透明で薄いプラスチックのカバーのことですよね。

そう。あれが、顕微鏡の観察で使うプレパラートのカバーガラスの代わりになるんだ。年度末に捨てられるものがあれば、廃物利用しよう。

どうやって作るんですか?

まずハサミで使用済みラミネートの端の透明部分を切り取り(写真D)、2?四方に切り分ける。それだけで完成。

本物のカバーガラスみたい!(写真E)

4月にたくさん作っておけば、使い捨てができるよ。実験後にカバーガラスを洗う手間がなくなって便利。

加熱する前のラミネートフィルムでもいいんですか?

それは使えないんだ。加熱して固くしたものを使ってね。ラミネートフィルムが余っていれば、カバーガラス用に数枚作ろう。たくさん安く作れるよ。

[D]
[E]

インゲンマメの実験を楽に

5年生でやるインゲンマメの実験って、けっこう大変じゃない?

そうなんですよ。種が小さくて、うまく切り分けられない子がいるんです。

ソラマメなら大きいから、不器用な子でも扱いやすいよ。同じマメ科だから、構造は基本的に変わらない。「花豆」や「白インゲン豆」も大きくて扱いやすい。乾燥したものがデパートで一年中売っているよ。インターネットの通販で入手するという方法もあるね。

乾燥した豆をそのまま使うのですか?

水に一晩漬けよう(写真F)。柔らかくなるし、さらに一回り大きくなって切りやすいよ(写真G)。

ヨウ素液をスポイトでかける実験もやりやすそう。

そうそう。そのヨウ素液だけど、小さな瓶に10本ほど分けておくと便利だよ。グループごとに配れるし、直接スポイトで吸い取れば、余っても捨てなくていい。

どんな瓶でもいいんですか?

栄養ドリンク剤の茶色の瓶が最適(写真H)。透明な瓶だと、ヨウ素液が光に強く当たって変化してしまうんだ。ヨウ素液は薬品なので、栓はキャップではなくて、ゴム栓やコルク栓に代えてね。

[F]
[G]
[H]

葉の気孔を接着剤で観察

植物の観察は、手間がかかります。とっておきのテクニックはありませんか?

葉の気孔を簡単に観察できる裏技があるよ。用意するものは、接着剤とセロハンテープ(写真I)。接着剤は、瞬間接着剤ではない普通のタイプで、葉の裏に盛り(写真J)、へら状の小さな板で薄くのばす。5分ほど乾燥させたら、セロハンテープを張って(写真K)はがす。はがしにくい場合はピンセットを使おう。そのテープをスライドガラスに張って顕微鏡で観察すると……

わー、気孔がよく見えます(写真L)。こんな簡単な方法があったんですね。

ここでもう一つ小技を伝授しよう。顕微鏡で観察している光景は、携帯電話に付いているカメラを顕微鏡の接眼レンズに当てると、手軽に撮れるんだ。ぜひ挑戦してみて。

[I]
[J]
[K] [L]

実験/チームりんごろう:松本徳重先生(長野県小川村立小川小学校)、上村剛史先生(海城中学高等学校)、折本大輔先生(千葉県柏市立名戸ヶ谷小学校)、松山隆太先生(千葉県柏市立柏第八小学校)

この号の目次へ戻る

バックナンバー一覧へ