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2009年 夏号 (8-9月) 

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Let’s go 火山! ―生きている地球を感じよう―

火山と噴火の仕組み

なぜ? だんだん分かってきた
火山と噴火の仕組み

マグマの正体は高熱で溶けた岩だ。地下にあるマグマが地表に出ると、溶岩と名を変える。マグマの様子を調べることが、噴火予知につながるらしい。今、火山について分かっていること、そしてまだ分からないことは何だろう。


そもそもマグマって何?

地球の内部の様子は、地震の伝わる速さの違いを調べることなどでだいぶ分かってきたが、マグマやマントルの実態については、まだまだ謎が多い。

マントルは重い岩石でできていて、地球の内部でゆっくりと動いている。太平洋などの海底には、溶けたマントルを含むマグマがわき出す「海嶺かいれい」という部分があり、わき出たものは冷やされて「プレート」という厚さ70〜140?ほどの巨大な岩の板(地殻とマントルの上部を合わせたもの)になる。プレートはゆっくりと移動し、大陸とぶつかるところで再び地球の内部へ潜り込む。マグマは、海でできたプレートが大陸の下に沈み込むときに、絞り出される水によって、マントルの一部が溶けてできるのではないかと考えられている。

日本列島はユーラシアプレート、北米プレートという2つの大陸プレートの上にあり、太平洋側では太平洋プレートとフィリピン海プレートという2つの海洋プレートが、日本列島の下に沈み込んでいる。このため、世界でも有数の火山地帯になっている。


噴火の仕組み

マグマは高温高圧の状態にあって、たくさんのガスが溶け込んでいる。そのガスの90%以上は水蒸気だ。マグマが地表の近くへ移動してたまったものをマグマだまりと言う。マグマだまりからマグマが上昇すると全体の圧力が下がり、溶けていたガスが気体になって泡立ち始める。そうなるとマグマの体積が増え、地表に出ようとする力が働く。するとさらに圧力が下がるため、この現象は加速度的に進む。さらに、マグマが地表近くに来ると一気に火道を上昇し、火口を押し開いて噴火する。

マグマに溶けていた水が水蒸気に変化するとき、体積は約1000倍に増える。これが膨大な噴火のエネルギーを生み出す。火山の噴火は、よく炭酸飲料のボトルを振ってから開けた状態に例えられる。

空中に立ち上る噴煙は火山灰や火山ガス、軽石などをたくさん含んでいる。これらは噴き出したマグマが姿を変えたり、周りの岩石を削り取ったり溶かしたりして形成されたものだ。


噴火は予知できる?

現在、火山の噴火はどの程度予知できるのだろうか。今年の2月2日に群馬県と長野県の境にある浅間山で起きた噴火は、13時間前に予知することができた。

今回の噴火の直前、地面の傾きを計測する傾斜計が、山が頂上に向かって膨らむ動きをとらえた。それはごくわずかな変化だったが、下からマグマが地面を押した結果だと判断された。実は、浅間山は2004年にも噴火していて、そのときと同じような変化だったのだ。しかし、前回はそれが何を意味するのか正確には分からなかった。そして、その20時間後に噴火が起きた。今回はそのときのデータを基に、同じような変動を噴火の前兆であると判断し、警戒レベルを上げた。

「2004年のときは未知な部分が多かったので、予知に成功したとまでは言えません。しかし、そのときの経験があったので今回の予知はうまくいったんです」と語るのは、測地学の立場からも浅間山の観測に携わっている東大地震研究所の青木陽介助教。

今回は傾斜計が活躍したが、噴火の予知には地震計やGPS(全地球測位システム)なども利用されている。地震計は地下にあるマグマの様子を知ることに役立つし、GPSは長期にわたる地面の動きを正確にとらえることができる。

「一つひとつの火山には個性があり、噴火の前兆なども違うので、予知にはそれぞれの火山についての幅広いデータの蓄積が必要です。浅間山のように継続的に観測している山で噴火が起きるとすれば、いつ、どこから噴火するかは予知できると思います。しかし、どのような噴火スタイルになるか、噴火の後どのような経過をたどるかについては、まだはっきりとした予測ができないのです。例えば2000年の三宅島の噴火は、噴火することまでは予知できたのですが、その後何年間も活動を続け、島民が避難生活を余儀なくされることになろうとは予測できなかったというわけです」と青木助教は今後の課題を語る。

地球の構造
地球の構造
地表から地球の中心までは約6400km。一番外側にあるのが地殻で、大陸では30 〜40km、海底では約6km の厚さしかない。地殻の下から約2900km の深さの所までがマントルで、その内側に「核」がある。
火山のできる場所
火山のできる場所
火山ができる場所は大きく分けて3つある。海洋プレートが沈み込んだ所と、下から溶けたマントルを含むマグマがわき出す海嶺、マントルの深い部分に熱源のあるホットスポットだ。
噴火の仕組み
噴火のタイプ

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